Iron Shelf
オーダー家具
漆仕上げのアイアンシェルフ
お花の飾り台として製作しました。
アイアンフレームを漆焼きで仕上げて、特殊な液体で丸ごと煮込みました。
昔ながらの日本の伝統技術で、鎧兜(よろいかぶと)と同じ製法です。
アイアンの仕上げ技術の最高峰です。
溶接痕が一切見えないように、工夫されており職人の高い技術が手に取るように解ります。
小さい子が触れても安全なように下重心で安定性も抜群です。
細部に渡る美しさも見ものです。
彫刻家が製作者だからこそ実現できる品質。
<鉄と漆について>
鉄と漆(うるし)って最高に相性が良いんです。
古来から鎧兜(よろいかぶと)や武具などの鉄製品はほとんど全て漆で保護されてきているという歴史があります。
そして、漆の黒い色は酸化鉄(漆に鉄粉を混ぜて化学反応であの漆黒を作る)によって出来ているわけで、鉄に漆を塗る事はとても自然な事です。
耐久性は歴史が証明していますし、言うなれば鉄がいちばん自然に喜ぶ塗装方法と言って良いでしょう。
現代の科学塗装は全て塗装皮膜によって鉄が空気に触れないようにしているわけですが、もともと全く違う素材なのでいずれ剥げてきます。
それが剥げかかってきた状態は非常に美しくないのですが、漆の場合は自然に風化して行く美しさも感じられます。
そのような理由から、私は鉄を黒く仕上げたい時には漆を使うようにしています。
せっかくホンモノの素材を無垢できちんと作るのですから、仕上げも手間をかけて、孫の代まで大切にしてもらえるようなモノを作りたいのです。